与えられた資料を参考に作品の善し悪しを判断する日本人と、作品を眼の前にして受けた印象を大切にする外人。海外で展示を行った時に感じたことでした。この様な差があるのは美術教育に問題があるのです。小学生の頃を思い出せば図画工作の時間は苦痛でした。それは与えられた課題の結果が上手か下手で評価が決まるからです。上手にやらないといけない思いが苦痛を感じていました。苦手意識を持つ様になると美術から離れてしまう原因のひとつです。与えられた課題をこなすというだけの受け身の授業が原因のよう思えます。やがて専門課程が進むと先生の評価に頼るようになってしまい、いつのまにか先生の納得がいくような作品を制作し、そのまま卒業してしまいます。これも、問題があると思うのは、海外での授業では生徒同士の討論を行う時間があるからです。伝える、作品の批評を行うことを学ばないからです。与えられた課題をこなすことは技術を磨いていくことでは役に立ちますが、大切な感性を失っていることが言えるのではないのかと思います。
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