わたしの刀は、備前長船祐定 永禄八年二月日 二尺三寸弱 です。永禄八年を西暦に直すと 1565年。江戸幕府が創設される38年前。徳川家康 23歳。この年に、三河国を平定し、翌年に徳川と改正した頃です。この時代に刀剣王国として刀を量産した備前国の一振りです。455年という時を渡って手元にあります。この時代に刀匠たちは400年以上残すモノとして作ったのでしょうか。もしこの時代の刀匠にお会い出来るなら話しを聞いてみたいものです。何百年という時を過ごしても、刀の美しさを損なわれずにいるのには感動します。刀は、実用的な武器であって、武士が神社へ奉納するためのモノでもありました。神へ捧げるものは美しいモノではないといけません。その美しさを追求し技術を高めていった、その結果が何百年という時を越えるモノを作り上げたのだと思います。刀の歴史に加えて神への捧げモノとしての刀剣の歴史を学ぶことも大切かもしれませんが、いまは一振り一振り、刀匠の想いとその時代の歴史を気持ちのなかで描いて稽古に励む日々です。
0コメント